Webサイト運用において、その手軽さからクラウドCMSの導入を検討される企業が増えています。
このコラムでは、クラウドCMSはどのようなツールであるかの基礎概念や特長、従来型CMSとの比較、
メリット・デメリットの紹介など、導入を検討されている方のお役に立てる情報を分かり易くお伝えします!
クラウドCMSとは?
「クラウドCMS」とは、CMS(コンテンツ管理システム)の機能をクラウド上で利用できるサービスのことを指します。 インターネットに接続できる環境があれば、どこからでもWebサイトの作成やコンテンツの更新ができることなど、運用面の手軽さが評価され、近年注目を集めているCMSのひとつです。
代表的なクラウドCMSとしては、以下が挙げられます。
- Movable Type:クラウド版:Movable Type のクラウドバージョン(Movable Type 関連記事)
- PowerCMS:クラウド:PowerCMSのクラウドバージョン(PowerCMS 関連記事)
- ShareWith:企業向けに特化したツール(ShareWith 関連記事)
- shopify:ECサイトに特化したツール
※クラウドは、ユーザーがインターネットを通じてサービスやリソースを利用できる仕組みのこと
【クラウドサービスの例】
・クラウドストレージ(Google DriveやDropboxなど)
・メールサービス(GmailやYahoo!メールなど)
・クラウド型ソフトウェア(SalesforceやZoomなど)
※CMS(Content Management System)は、Webサイトのコンテンツを、簡単に管理・編集できるシステムのこと
【代表的なCMS例】
・WordPress ・Shopify ・Movable Type・PowerCMS
クラウドCMSの特長
クラウドCMSの特長は、 ソースコードやコーディングなど、
Webの専門的知識がなくても直感的な操作でサイトを構築できることや、導入コストが低い・社内リソースの稼働を抑えられるなど、導入や運用上の負荷が少ないことです。
ただし、クラウドCMSにはさまざまな種類があり、従来のCMSに比べて優れている点もあれば劣る点もあるため、自社に最適なツールを選ぶのは容易ではありません。
そのため、導入の際はクラウドCMSだけではなく、従来のインストールタイプのCMSについても候補に挙げ、
機能やできること、できないことを見比べることをおすすめします。
クラウド型とインストール型CMSの比較
では、従来のインストール型とクラウドCMSにはどのような違いがあるのでしょうか?
双方の違いについて、
コスト、セキュリティ、インフラ、カスタマイズ性の4つの観点で比較し、ご説明します。
- コスト
インストール型:クラウド型に比べて初期費用が高くなる傾向があります。自社でサーバーを用意する必要があり、CMSライセンスも製品によっては高額です。また、サーバーのメンテナンスやCMSのアップデートにかかるコストも考慮する必要があります。
クラウド型:サーバーを準備する必要がないため、初期費用を抑えることができます。 利用料金は従量課金制や月額料金であるケースが多いため、長期的な運用をする場合はコストがかさむ可能性があります。 - セキュリティ
インストール型:CMSやサーバーのセキュリティ対策を自社で行う必要があります。 CMSのアップデートやセキュリティホールへの対応を怠ると脆弱性が生じるリスクがあるため、万全な管理体制が求められますが、独自のセキュリティ対策を実施したい場合には、クラウド型ではなくインストール型を選ぶことが推奨されます。
クラウド型:CMSとサーバーのセキュリティ対策がベンダー側で実施されているため、 ユーザー側が個別にセキュリティ対策を行う必要がありません。 そのため、インストール型と比べて運用者のセキュリティ対応にかかる負担やコストを大幅に削減できます。 - インフラ拡張性
インストール型:インフラの管理をユーザー側で行うため、特定のニーズに合わせてサーバースペックを変更することが可能です。 ただし、変更には技術的な知識や追加コストが必要になります。
クラウド型:インフラ管理が不要で、必要に応じてクラウドCMSのプランを変更することで 簡単にリソースを拡張できるため、手軽で柔軟な対応が可能です。 - CMSのカスタマイズ性
インストール型:カスタマイズの自由度が高く、ユーザーがプログラムの改修やプラグインの追加などを通じて機能を拡張できます。 複雑な構造のWebサイトや、特定のニーズに合わせた機能を実装する際には、クラウド型よりも柔軟性があります。クラウド型:ベンダーが提供するサービスの範囲内でカスタマイズが可能ですが、 複雑なカスタマイズには制限がある場合が多く、ユーザー側で新しい機能を追加することが難しいケースもあります。
以上のように、インストール型CMSとクラウドCMSにはそれぞれ異なる特長があります。
CMSの導入を検討する際は、これらの違いを考慮し、自社に適したタイプを選ぶことが重要です。
クラウドCMSのメリット・デメリット
クラウドCMSの『メリット・デメリット』について、前項の比較内容を基にまとめました。
要点として、押さえておくことをおすすめします。
メリット
- 初期費用が抑えられる
- インフラ拡張が容易
- 運用管理の負荷が軽減できる
デメリット
- 長期的には、運用コストがかさむ可能性がある
- カスタマイズに制限がある
- 独自のセキュリティ対策がおこなえない
導入が向いているサイト
次に、クラウドCMSに向いているのはどのようなサイトであるかをご説明します。
クラウドCMSはメンテナンスフリーでセキュアなツールであるため、
個人のブログをはじめ、小~大規模のコーポレートサイトなど企業サイトにも多く導入されています。
中でも、 LP、キャンペーンサイト、オウンドメディアなど、即時性や更新頻度の高いサイトへの導入に向いています。
当社でも、情報発信や更新頻度の高いコーポレートサイト、迅速に立ち上げたいキャンペーンサイト、オウンドメディア構築において、導入を検討されるお客様から、ご相談が増えていることを実感しております。
クラウドCMSは多様なサイト運営で重要な役割を果たしており、特に以下のようなニーズをお持ちの企業様におすすめです。
\お客様のニーズや課題例/
・サイト運用の技術的負荷を軽減したい
・サイトを迅速に立ち上げたい
・サイトのメンテナンスを簡単にしたい
クラウドCMSを選定する際のポイントとは?
では、クラウド型の導入の検討が進んだ際、どのような基準でツールを選べば良いのでしょうか
「魅力的ではあるが、自社の要件に適合するか分からない・・」
「選択肢が多く、今一つ決め手に欠ける」など、選定において悩まれる方も多いと思います。
以下では、選定の際に注視すべきポイントについて、
機能・パフォーマンス・コスト・セキュリティ・サポートの5つの側面から、分かり易く解説します。
- 機能面
選定しているクラウドCMSが自分のサイトに必要な機能要件を満たしているか確認します。
管理画面の見やすさ:コンテンツを作成する際に、管理画面が一目で理解しやすいデザインになっていれば、
サイト運用を行う際のサイト運用者の負担を軽減させることができます。
機能面の充実:コンテンツを作成する際のエディタの種類の豊富さやSEO対策、またはサイト内検索やフォーム作成など自社のサイトに必要な機能が備わっているかを確認する必要があります。
外部ツールとの連携:Google Analyticsなどのマーケティングツールやソーシャルメディアへの自動連携機能などに連携できるかを確認する必要があります。 外部ツールの連携が可能になることで、効率的なサイト運営を行うことが可能になります。 - パフォーマンス
Webサイトの表示速度など、パフォーマンスの良し悪しは、ユーザーエクスペリエンスに影響するため、クラウド型CMSが高パフォーマンスなインフラを提供しているかなどを確認し、サイトへのアクセスが集中し高負荷となった場合でも問題なくサイトを表示できるかを確認しておく必要があります。
3. コスト面
クラウドCMSは一般的に従量課金制か月額料金となっており、料金体系もそれぞれ異なります。 そのためプラン内容の確認を行い、サイト構築・運用に必要な機能が搭載されているプランであるか考慮する必要があります。
4. セキュリティ面
それぞれのクラウド型CMSがどのようなセキュリティ対策を提供しているか、以下のようなポイントを確認する必要があります。
・定期的、脆弱性が発見された場合にアップデートが行われているか
・多要素認証など、管理画面へのアクセス対策をすることは可能か
・データのバックアップが定期的に行われているか
5. サポート体制
サイト運用時、困ったことがあった場合にどのようにサポートをしてくれるのかを確認する必要があります。
・メールまたは電話で対応してくれるのか
・サポートは何時から何時まで対応してくれるのか など
ツール選定で失敗しないためには、要件や目的に照らし合わせて慎重に判断する事が不可欠です。
当社のようなCMSの専門家にご相談いただくことがベストですが、
自社内でも、上記のような基本のポイントを抑えておくと、安心かと思います。
CMSの導入・開発はぜひ当社にご相談ください!
以上、クラウドCMSの基本概念や、特徴、選定のポイントなどをご紹介しました。
クラウドCMSへの理解が進み、導入検討の一助になれば幸いです。
マイクロウェーブクリエイティブでは、クラウドCMSをはじめ、様々なツールの導入を支援しております。
まずは、現状サイトや課題を丁寧にヒアリングし、貴社に適したCMSや進め方をご提案いたしますので、
お抱えの課題などがあれば、ぜひお気軽にご相談ください!
この記事の著者
マイクロウェーブクリエイティブ バックエンドグループ
CMS、Webアプリケーション、開発・プログラミングに関する情報などエンジニア目線で深く切り込んだ情報を発信します。