Web制作会社の選び方。デザインや費用だけで選ぶと失敗する?

2021年05月26日

国内のWeb制作会社は1万社を超え、規模や種類も様々です。では、制作を依頼する際、数ある会社からどのような基準で選ぶべきでしょうか?
制作会社は、大手Web制作会社ならではの特徴や強み、中堅・小規模Web制作会社の良さ、有名なWeb制作会社など、それぞれに特色があり、どのようなサイト制作を得意としているか、どの領域に強いかを見分けるポイントがあります。本記事では、Web制作会社の選び方や、自社の目的に合う制作会社の見分け方などを詳しくご紹介いたします。

Web制作会社への不満点(アンケート結果)

Web制作会社は千差万別で、選定において苦労された覚えがある企業のサイトご担当者様は多いのではないでしょうか。
苦労して選定したにも関わらず、その後のプロジェクトが失敗に終わってしまい、当社にご相談いただくケースも少なくありません。
このようなプロジェクト失敗の原因を解明するために、Web制作会社に対する不満や、プロジェクト運営において課題を感じた点等について、企業のウェブ担当者の皆様にアンケート調査を実施しました。

【アンケート調査方法】

企業のデジタルマーケティング担当者様やWebサイト担当者様が来場される展示会のブースにて、既存制作会社や過去に依頼された制作会社への不満点や改善してもらいたい点をアンケートにて収集いたしました。

【アンケート結果】

  1. レスが遅い(改修相談で連絡したら数日後に返信がきた)
  2. 窓口がころころ変わる(久しぶりに連絡したら担当者が退職していた)
  3. セキュリティに対する意識が低い
  4. 柔軟性が足りない、寄り添ってくれない
  5. 専門用語が多すぎる
  6. 会社やビジネスの理解が足りない
  7. 企画段階からの成果目標に及ばない
  8. スケジュールが遅延する(当初予定されていたスケジュールから乖離する)


プロジェクトの失敗例
制作工程の全体スケジュールを引いたものの、中身のタスク承認フローを明確に定めないまま進行を行ってしまい、当初予定していたスケジュールにズレが生じ、全体に影響して、納期に遅延が発生した。

Web制作会社の選び方

費用やデザインだけで発注先を選ぶことは避けましょう

Webサイトには必ず目的があり、その目的を達成するためにサイトの構築やリニューアルを実施するかと思います。
目的を達成できるか、達成を阻む課題を解決できるか否かは、Web制作会社の技術や経験、組織力、要件を正しく形にしていくコミュニケーション能力の有無に左右されます。
その為、単に提案デザインが気に入った、費用が安いという理由だけで、発注先を選定してしまうと見た目は変わっても成果の出ないサイトになってしまいます。
このような事態を避けるためには、依頼を検討する制作会社が自社課題を解決してくれる力があるか、信頼できる組織か、品質は確かであるか、など、全体を見定めることが大切です。デザインや費用以外の要素を商談時や提案時に判断することで、1~8のような不満が発生しなくてすむ可能性が高くなります。

Web制作会社の種類

規模感

Web制作会社の大半が、数名から数十名規模の組織であり、数百名規模になるとWeb制作会社の中では大手にあたり、知名度が高く有名な制作会社になります。

数名から数十名のWeb制作会社の特徴は、フットワークが軽く、単価も安めです。
組織が縦割りされておらず、1名で数職種の役割を担い、相談ごとに柔軟に対応されます。ただし、人数が少ないが故に、相談したいときにリソース不足という問題もあります。また、数十ページのサイト構築であれば適正な値段と体制で対応可能ですが、数百ページになるサイト構築プロジェクトであれば、体制が組めず依頼が難しい事もあります。

大手制作会社の場合は、スコープに対しての体制やスケジュールをしっかりと組める特徴があり、大規模サイト構築案件であればパフォーマンスが良いと言えます。しかし、組織が職種ごとに縦割りになっていることが多く、相談事に対して即時回答ができず、各事業部間で内容やリソース確認おこなった後に回答するのでコミュニケーションに時間がかかります。また、依頼事項により、プロジェクトに入る職種(人)分の工数が金額に入るため、費用は高めになります。

各社の強みの種類

  • Webの役割、戦略、KPI設計から構築までをワンストップで対応する制作会社
  • 大規模プロジェクトを得意とする制作会社
  • 中小規模をプロジェクトを得意とする制作会社
  • SNSなどを活用した販促支援からWebサイト構築まで行う販促支援
  • 制作会社 ・ビジュアル重視のキャンペーンサイトなどを構築するデザイン会社
  • LPやコーディングを量産する制作会社
  • Webサイト運用体制を構築(オフショア)する制作会社

実績の種類

  • コーポレートサイトやサービスサイトなど、CVが引き合い獲得系のサイト構築実績を持つ制作会社
  • ECサイトなどの売上に直結するサイト構築実績を持つ制作会社
  • LPやキャンペーンサイトなどのサイト構築実績を持つ制作会社
  • 会員サイトやイントラ、受発注システムなどシステム開発系のサイト構築実績を持つ制作会社
  • ビジュアル重視サイトやキャンペーン企画など、サイト構築実績を持つ制作会社

Web制作会社を選ぶ視点

自社の目的に合った制作会社の見つけ方

自社の課題

  • 制作会社が打ち出す強みと、実際に課題解決した実績を照らし合わせることが大事です。
  • 業界特有の課題や専門知識が必要なビジネスは、制作会社が同業界の実績があるかも選定視点の1つになります。

規模感

  • 自社のサイトが数十ページであれば中堅規模の数十名の制作会社がコストパフォーマンスが良いでしょう。
  • 数百ページ前後レベルであれば、数百名規模の大手制作会社に依頼されるとしっかりとした体制が組め安心です。

依頼範囲

デザインや構築だけではなく、戦略やコンセプト設計などの上流工程から依頼したい場合などは、戦略設計やマーケティングの知見や体制があるかを、これまでの対応実績や成果、コラム等のアウトプットから見極めると良いでしょう。

構築後の運用体制

作って終わりではなく、運用でPDCAを回してWebサイトを改善していきます。その際に運用フローの構築や社内で対応できること、パートナー会社に依頼すること、また定例会による提案やレポートなど、初めに構築後の体制を組めるかどうかも選定基準の1つになります。予め運用体制を決めておけば、窓口や依頼後のレス、スケジュールなど不満につながることを回避できます。

制作会社の探し方

・紹介

弊社へお問合せいただく際、担当させていただいたお客様からのご紹介いただくケースが多くあります。実際のプロジェクトの内容やアウトプットの感想を聞くことが何より信頼にあたりますので、つながりのある方の意見を聞いて、依頼先を選定することも一つの手でしょう。

・検索

最も多い探し方は、検索エンジンによるサーチ経由です。課題点や構築したいサイトなどを検索し、制作会社のサービスページ、LP、コラムなどを経由し、実績などを見て判断されることが多く、比較サイトなどからいくつかの依頼先をピックアップしてそれぞれご相談されるケースもあります。

要件の伝え方で成果物は変わる!?コンペの際の要件の伝え方

良い提案を受けるために必要な「RFP」について

前項までの内容では、Web制作会社の選び方について解説しましたが、
成果につながる"良い"提案を受けるために知っておくべき事もあります。

サイトリニューアルプロジェクトのコンペを開催される際には、自社の課題に対して提案を得意する制作会社を集めたとしても、要件の伝え方1つで、企画の方向性がずれ、比較がしにくい提案のばらつきが生じる可能性があります。
それを防ぐために必要なものがRFP(Request for Proposal)です。

RFPは自社の要件をまとめた提案依頼書で、これに沿って制作会社は提案されてきます。RFPを正確に、かつ目的と目標、構築後の運用体制まで描くことで、それを実現可能な制作会社を選定することができ、長期の良きパートナーと出会えます。

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